サイドシルの修理費用はいくら?縁石にぶつけた擦り傷や凹みを放置すると錆びの原因に
サイドシル(ロッカーパネル)は、飛び石などで傷付きやすく、縁石に乗り上げるなどして凹みやすい箇所です。しかも修理費用が高額なドアやリアフェンダーの隣に位置するため、併せて損傷すると高額な修理代がかかってしまいます。
今回はサイドシルの状態に応じた修理費用の相場や修理依頼先の選び方、修理を安く済ませる方法などを解説します。サイドシルの傷や凹みを放置すると錆びの原因になるため、なるべく早期の修理をおすすめします。
もくじ
状態別|サイドシル(ロッカーパネル)の修理費用は?
「シル(Sill)」とは英語で「敷居」を意味し、車の「サイドシル」はドア直下の前輪後側から後輪前側までの外装部位全体を指します。修理業者の間では「ロッカーパネル」と呼ばれるのが一般的です。
サイドシルに起こる代表的なトラブルと、それぞれの修理代の目安は以下のようになります。
- ・擦り傷修理:3万円前後
- ・凹み修理:4万円から
- ・錆び修理:5,000円〜5万円
- ・パネル交換:7万円から
通常の凹み修理や錆び修理で対応できない損傷はサイドシルパネルの交換修理となり、部品代と切断・溶接の作業工賃が上乗せされるため修理費用も高額です。これら4種類のサイドシルの修理費用について詳しく解説していきます。
擦り傷修理は3万円前後
サイドシルに付いた擦り傷の修理費用は傷の深さや大きさによって変動します。10cm程度の小さく浅い傷の修理なら2万円程度。大きく深い傷ともなると4万円程度の修理費用がかかります。平均するとサイドシルの標準的な傷の修理費用相場は3万円前後と考えてよいでしょう。
ただし、サイドシルを覆うかたちで装着される「サイドステップ(サイドスカート)」に付いた傷の修理なら5,000円〜3万円程度で済みます。サイドステップの多くは樹脂製であるため、傷から錆びに発展する心配はありません。
しかし、サイドシルと同様に縁石や落下物への接触や飛び石などで傷が付きがちです。
修理内容 | 修理費用 |
サイドシルの小さく浅い傷 | 2万円 |
サイドシルの大きく深い傷 | 4万円 |
樹脂製サイドステップの傷 | 5,000円〜3万円 |
樹脂製サイドステップの割れ | 5,000円〜1万円+塗装代 |
凹み修理は4万円から
サイドシルの凹み修理にかかる費用は、1箇所あたり4万円からです。沿道施設への出入りの際に内側の縁石に気づかず乗り上げてしまったり、タイヤ交換時のジャッキをかける位置の間違いなどがサイドシルを凹ませる原因として挙げられます。
側面衝突が起こるとサイドシルもろとも隣接するドアやフェンダーも損傷するケースが多く、修理費用も大きく跳ね上がります。また、サイドシルの単体修理であっても範囲が広い場合はパネル交換が必要になり修理費用が高額になりがちです。
修理内容 | 修理費用 |
サイドシル凹み修理 | 4万円〜 |
錆びの修理は5,000円〜5万円
錆びの修理も状態によって費用に大きな差が出ます。錆びが浮いた状態であれば塗装ごと削り落として再塗装するだけで修復可能であり、かかる費用は5,000円〜3万円程度です。
錆びが進行し、穴が空いてしまうと穴埋め作業が必要になるため、修理費用は1万〜5万円程度に引き上がります。穴埋めでは対応できない状態に陥った場合はパネル交換が必要になります。
修理内容 | 修理費用 |
錆び修理 | 5.000円〜3万円 |
錆び穴修理 | 1万〜5万円 |
交換の場合は7万円以上
サイドシル全体が大きく凹んでいる場合や、進行した錆びによってパネルが朽ち果ててしまった場合はサイドシル外側のパネルを一度切断して、補修用のパネルに交換されます。
交換に際しては切断や溶接作業に加えて、場合によってはドアの脱着も必要になるため、修理費用は最低でも7万円以上。サイドシルパネル全体を交換した場合は10万円ほどの費用がかかることも珍しくありません。
修理内容 | 修理費用 |
サイドシル交換 | 7万円〜 |
サイドシルの修理はどこに依頼すべき?
サイドシルの修理は以下の3ないし4種類の業者に依頼ができます。
- ・ディーラー
- ・板金塗装工場
- ・カー用品店・ガソリンスタンド
それぞれの修理には特徴があるため、状態や予算、希望する修理品質などに応じて使い分けるとよいでしょう。
信頼性と利用のしやすさではディーラーが一番
自動車メーカーの看板を背負うディーラーは、一定水準以上の高い修理品質と土日祝日営業による利用のしやすさが特徴です。ただしパネル交換が必要になった場合は、おもに新品部品を使って修理されるうえ、作業工賃単価も高いため修理費用がどうしても高くなってしまうデメリットがあります。
多くのディーラーは板金塗装設備を有していないため、修理を依頼した場合は「メーカー工場」「ディーラー工場」「外部提携先の板金塗装工場」のいずれかに作業が委託されることも覚えておきましょう。
メーカー工場とディーラー工場は数が少ないため、多くの場合にディーラーと提携している板金塗装工場が修理を請け負います。
店舗によって技術力にばらつきがあるとされる板金塗装工場の作業でも、ディーラーが要求する修理品質で修理されるため、全国どこのディーラーに依頼しても一定水準以上の仕上がりが期待できます。
大掛かりな修理は板金塗装工場がお得
板金塗装工場の修理は価格の安さが特徴です。とはいえ、修理費用は安くとも他の業者に比べて雑に修復されるわけではありません。
たしかに店舗や板金工ごとの技術差が大きく、費用と修理品質の兼ね合いによる店舗選びの難しさはありますが、技術水準自体は総じて非常に高いレベルにあるため、どの店舗を選んでもしっかりと修理してくれます。
ディーラーに比べて工賃単価が安いうえ、パネル交換に際しては中古品を積極的に利用するため修理規模が大きくなるほど安くなる傾向にありますが、土日祝日が休みの店舗が多いことに起因する利用にしにくさが唯一の欠点です。
軽度の傷や凹みはカー用品店・ガソリンスタンドが早くて安い
カー用品店やガソリンスタンドでは、小さな傷や凹みを格安で素早く修理してくれます。修理範囲に応じた価格表が提示されていることが多いため事前に修理費用が把握しやすく、土日祝日も営業しているうえ営業時間の長さによる利用のしやすさも特徴です。
板金修理サービスを実施しているガソリンスタンドは比較的大きな店舗に限られるものの、大型ガソリンスタンドは深夜まで営業しているため、忙しい人でも予約などの手続きがしやすいメリットがあります。
ただし、カー用品やガソリンスタンドが得意なのは小さな規模の素早い修理であるため、修理規模が大きくなると板金塗装工場よりも高額になりがちです。依頼するなら小さな傷や凹みに限定するとよいでしょう。
サイドシルの修理を安く済ませる2つの方法
修理を依頼する業者選び以外にも、サイドシルの修理費用を抑える方法が2つあります。
- ・相見積もりの実施
- ・車両保険の使用
利用する際の要点さえ守れば、これらの方法で確実に修理費用が抑えられます。
相見積もりで安い業者をみつける
複数の業者から見積もりをとって比較し、もっとも安く修理してくれる業者に頼めば確実に修理費用を安くできます。これを「相見積もり」といいます。
板金塗装工場の修理費用は、店舗の規模や板金工の給与などによって差があるため、相見積もりを取ることで依頼する店舗が決めやすくなります。
軽度の損傷なら板金塗装工場と、カー用品店やガソリンスタンドの板金サービスと比較させるとよいでしょう。
ただし、各業者に見積もりを取って回るのは手間と時間がかかります。また、詳細な見積もり算出は有料としている業者もあるため、比較させる見積もり業者は3業者程度に絞るとよいでしょう。
修理費用が高額な場合は車両保険に頼る
車両保険とは車同士の事故はもちろん、自損事故での車の修理費も保険会社が負担してくれる自動車保険特約であり、急遽かかる高額な修理費用に備える保険です。
ただし車両保険には一般型(フルカバー型)と限定型(エコノミー型)の2種類が存在し、自損事故時に補償されるのは一般型に加入している場合に限られます。
また車両保険を使用すると翌年の等級が下がり、保険金が高くなってしまう点にも注意が必要です。実際のところ、サイドシル単体の修理で車両保険を使うケースは稀でしょう。
しかし修理費用が高額になりがちな側面の広い範囲を破損した場合は車両保険の使用を検討すべきです。車両保険を使った場合に上がる翌年以降の保険料を計算し、値上がり分よりも高額な修理費用がかかるようなら車両保険を使った方がお得になります。
傷や錆びの修理ならDIYで簡単に直せる
サイドシルは軽度な傷や錆びの修理ならDIYでも作業しやすい箇所といえるでしょう。とくにサイドシルの底部やジャッキアップポイントは側面からは見えづらく、パテ盛りや塗装技術が未熟でも粗が目立ちません。
サイドシルは汚れが付着しやすく、タイヤが跳ね上げた飛び石などで傷が付きやすいため塗装剥げや錆びも発生しやすい箇所です。
業者にしっかり修理してもらってもすぐに傷などが付いてしまうため、修理に出すまでもないような傷や錆びは自分で補修することで出費を抑えられます。
ただしサイドシルは筒状になっており、専用工具が必要になる凹み修理をDIYで行うことは難しいでしょう。
追加エアロパーツのサイドステップ(サイドスカート)などを装着するなら外からはサイドシルが見えないため、あえて凹みを修理をせず、錆び防止のために剥がれた塗装の補修に留めることで修理費用を節約することもできます。
乗り降りの際に傷が付きがちな上面は、スカッフプレート(保護用化粧板)やカッティングシート(樹脂製粘着シート)などを張り付けて傷防止が図れます。
サイドシルを修理しても修復歴はつかない
サイドシルは板金修理をしても交換修理をしても修復歴は付かないため、事故車扱いにはなりません。ただし、その内側などにある車体骨格部分を修理・交換すると修復歴有になってしまいます。
つまりサイドシルの外側だけを修理しても、査定員の見立てや修復状態に応じた査定額の減額はあるものの、車の価値は極端に大きく下がらないということです。
まとめ
サイドシルは非常に破損しやすい箇所です。縁石などへの乗り上げはもちろん、ただ走行しているだけでもフロントタイヤが跳ね上げた小石によって塗装が傷つき、放置すると錆びが発生します。
エアロパーツを装着している車はサイドシルの状態が把握しづらいため、サイドステップを外してみると錆びで穴が空いているケースも珍しくありません。さらに、側面衝突などが起こるとドアやフェンダーの修理費用も加算されて莫大な金額になります。
サイドシルの具体的な修理費用をすぐに知りたい場合は、近所の修理業者から見積もりを出してもらう前に、まずは私たち「カーテンダー 」にご相談ください。
カーテンダーは、事故車買取実績No.1の株式会社TAU(タウ)を母体とする修理工場ネットワークであり、修理費用と買取価格を同時に見積もりすることもできます。修理費用が高額になり売却を選択した場合でも、事故車買取実績No.1のTAU(タウ)の買取ネットワークによる業界トップクラスの買取価格を提示できます。
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