マフラー交換にかかる費用や工賃は?社外品を選ぶメリットとデメリットも
マフラーの音にお悩みではないでしょうか。
「ポコポコ」「カラカラ」といった異音や、排気音が徐々にうるさくなるといった症状は、マフラーを交換することで解決します。
マフラーとはエンジンから排出された有害な排気ガス音を後方へ流す管であり、とくに出口付近は排気ガスに含まれる水分の影響により劣化しやすい部分です。
もし、排気音が急にうるさくなった場合、マフラーに穴が空いている可能性があります。
音量が一定のラインを超えてしまうと車検に通りません。そのようなマフラーは交換や修理が必要になります。
また、純正品への交換ではなく社外品へと交換すると、エンジン出力や音質の変化が楽しめることから、社外マフラーへの交換は人気のカスタム手法のひとつでもあります。
今回はマフラー交換にかかる費用に加え、純正マフラーと社外マフラーの違いや、それぞれのメリットやデメリットなどを解説します。
もくじ
マフラー交換にかかる費用は5万〜10万円
純正マフラー交換にかかる費用は交換工賃を含めて5万〜10万円ほどです。ただしマフラー交換にかかる費用は、車種や交換するマフラーによっても大きく変動します。
自動車のパーツには「純正マフラー」「社外マフラー」の2つの種類があります。
それぞれの特徴については以下の通りです。
- ・純正マフラー:長期間にわたって高い消音性能を維持できる構造であるものの、スチール製のマフラーが多く、錆びによる破損が起こりやすい。寿命は10年前後。
- ・社外マフラー:消音性能が低下しやすいものの、ステンレス製が主流であるため錆に強く、パワーアップやドレスアップの副次効果が期待できる。寿命は車の乗り方によって大きく変動するものの、5年が排気音量確認の目安。
では、それぞれの費用について、以下で解説します。
純正マフラーへの交換費用
新品 | 中古品・リビルト品 | |
純正マフラー本体価格 | 4万〜7万円 | 1万〜5万円 |
一般的な乗用車の新品純正マフラーの価格相場は4万〜7万円程度。中古品やリビルト品の純正マフラーは1万〜5万円程度です。
ただし、スポーツカーや高級車に採用される純正マフラーの新品価格は10万円を超えるケースも珍しくありません。
加えて、マフラー交換には作業工賃も発生します。交換を依頼する業者によって工賃に違いはある点は後述しますが、マフラー交換の作業工賃は5,000円前後が相場です。
取り付け時に必要となるガスケット(接合部からの排気漏れを防ぐ部品)などの費用を加えれば、マフラー交換工賃はおおよそ7,000円が相場となるでしょう。
社外マフラーへの交換費用
新品 | 中古品 | |
社外マフラーの本体価格 | 5〜10万 | 2〜7万円 |
新車時から装着される純正マフラーに対し、自動車メーカー以外から販売されている社外マフラーも交換の選択肢として挙がります。社外マフラーへ交換するメリットは、排気音量が大きくなる代わりにエンジン出力を向上させたり、音質や見た目をよくできる点です。
社外マフラーの価格は材質や構造によって幅が広く、軽自動車やコンパクトカー用の安価なものでは4万円程度。
大型車用の高いものでは20万円を超えるものまで多種多様です。なかには純正マフラーよりも安い社外マフラーもあります。一般的な乗用車向けの社外マフラーの新品価格はおおよそ5〜10万ほどであり、純正マフラーよりもやや高い程度です。
車種の適合さえ確認できれば、より安価に購入できる中古の社外マフラーという選択肢もあります。
社外マフラーは消音性能が低下しやすいとはいえ、すぐに交換が必要になるわけではありません。社外マフラーのなかにも純正マフラーと似た構造を採用し、経年劣化による音量増大を最小限に抑えたマフラーが存在します。
純正品と社外品のどちらも一長一短があるため、予算や目的に応じて選び分けるとよいでしょう。排気音量を上げたくないのなら純正マフラー一択です。
補修用としてもっともコストパフォーマンスが高くなるのは、純正マフラーの中古品やリビルト品です。
社外マフラーの中古品は割高なうえ、消音器の劣化を考慮する必要があるため、社外マフラーに交換する場合は新品をおすすめします。
マフラー交換はどこに頼むべき?
マフラー交換を依頼できる業者は以下の通りです。
- ・ディーラー
- ・整備工場
- ・カー用品店やチューニングショップ
それぞれの業者で交換工賃や取り扱うマフラーなどが異なるため、交換するマフラーに応じて業者も選び分けましょう。
ディーラー
ディーラーで購入できるのは、純正マフラーおよび自動車メーカーが製作および指定した純正オプションマフラーの2種類のみです。
一部の店舗では社外マフラーも取り扱うものの、特定のメーカーのマフラーに限られます。
ディーラー以外で購入したマフラーの持込取付にも応じてくれますが、車検適合マフラーであることを証明する書類などが揃っていなければ取り付けには応じてくれません。
作業工賃は5,000〜6,000円程度です。
整備工場
整備工場では新品純正マフラーへの交換はもちろん、中古品やリビルト品への交換にも応じてくれます。
交換工賃は安いところでは4,000円、高いところでは8,000円程度です。
ただし社外マフラーは一般的な整備工場で取り扱わないことが多く、持込取付はしてくれるものの、ディーラーと同じく車検に通らないマフラーの取り付けには応じてくれません。
カー用品店・チューニングショップ
カー用品店やチューニングショップでは社外マフラーを専門に取り扱っており、カタログから購入したいマフラーを選べば商品を取り寄せ、そのまま取り付けまでを行ってくれます。
競技用マフラー(車検非対応マフラー)も取り扱ってはいるものの、公道の走行を前提としては取り付けてくれません。
交換工賃は5,000円前後が相場ですが、同店舗で購入したマフラーの交換であれば、代金総額から値引きをしてくれる場合もあります。
多くの大型カー用品店で持込取付に1.5〜2倍の割増料金を設けている点には注意しましょう。
社外マフラーへの交換で得られる3つのメリット
エンジン性能の向上
排気音量が大きくなる代わりに、排気抵抗が少ない社外マフラーへ交換することでエンジン性能を高めることができます。
ガソリンエンジン車なら3〜4,000rpm以上の中〜高回転域で明確な変化が感じられるでしょう。
ターボエンジンでは過給器(ターボ)の動作効率が高まり、より大きな出力向上が期待できます。
排気音量や排気音質の変化
社外マフラーに交換することで排気音量や排気音質が変化します。
より力強い排気音に変わることで、普段の運転やドライブがひと味違ったものに感じられるでしょう。
音量や音質は、マフラーごとの構造や材質を含む設計によって変化します。
リアスタイルのドレスアップ
目立たないように配置される純正マフラーに対し、存在感が強まる社外マフラーへの交換は、車のリアスタイルの印象を変えるのに有効です。
一般的な1本出しマフラーでも太い排気口によって主張は十分。
2本出しや4本出し、センター出しや横出しマフラーなど多彩なバリエーションが選べるのは社外マフラーならではといえるでしょう。
社外マフラー交換で生じる3つのデメリット
低回転トルクの低下
排気効率を高めたマフラーほど、排気の流量が少ない低回転域でのエンジントルク(回転力)が減少します。
トルクの低下を極力抑えたした社外マフラーも販売されてはいるものの、程度の差はあれど社外マフラーへの交換によって発進性能や低回転域での加速性能は鈍る傾向にあり、都市部での運転が多い場合にはマフラー交換のデメリットばかりが目立つようになります。
音量増加による快適性の低下
社外マフラーは消音性能を犠牲にして排気効率を高めている側面があるため、純正マフラーに比べてどうしても音量は大きくなる傾向にあります。
増加した音量により長距離運転時は疲労感の原因になることもあるうえ、装着するマフラーによっては特定の回転数で車内に不快なこもり音が発生する場合もあります。
社外マフラーへ交換する際は、近隣住民や同乗者への配慮も必要です。
新車保証への影響
社外マフラーに交換すると、自動車メーカーが設けている新車保証項目の一部が対象外となる可能性がある点に注意しましょう。
新車保証を受けるためには、車の正しい使用方法を守り、定期的な点検とメンテナンスを実施する必要があるため、社外マフラーへの交換によって生じたと疑われる故障に関しては保証の対象外となってしまう恐れがあります。
ただし、実際の対応はディーラーによって異なるようです。
車検対応マフラーであれば問題ないとするディーラーもあるため、交換に際して不安であれば直接問い合わせてみましょう。
マフラーはミニバンや軽自動車も社外マフラーへ交換可
社外マフラーへと交換できるのはスポーツカーだけではありません。
マフラーメーカーに製品ラインナップがあれば、軽自動車やミニバン、SUVであっても社外マフラーへと交換可能です。
ただし排気量が小さい軽自動車は、前述した社外マフラー交換による低回転域でのトルク低下の影響が顕著に現れやすく、ミニバンやSUVも重い車重により発進性能の低下が懸念されます。
これらの車に関しては、ドレスアップ目的としてマフラー交換されるのが一般的です。
DIYでもマフラー交換はできる
DIYでマフラー交換ができれば、交換工賃を節約できます。
それに加え、インターネット通販などで安価に購入したマフラーを持込取付の割増料金をかける事なく取り付けられるため、マフラー交換にかかる費用を大きく低減することができます。
マフラー交換はそれほど難しい作業ではありません。
ただし、マフラー交換をするには車体下に潜る必要があるため、相応の危険があることは覚悟する必要があります。
走行後のマフラーは高温を帯びているため火傷にも注意が必要です。
DIYでのマフラー交換作業にあたっては、以下の物品を準備する必要があります。
- ・ジャッキ
- ・リジッドラック
- ・レンチ(車種ごとに適合するサイズ)
- ・トルクレンチ
- ・マフラー本体
- ・ガスケット
また、以下は必須ではありませんが、準備をしておくと作業効率の改善を図れる物品です。
- ・浸透性潤滑剤
- ・シリコンスプレー
- ・マフラーハンガープライヤー
マフラー交換の手順
- 1.ジャッキアップ
- 2.リジッドラックをかける
- 3.フランジ(接合部)のボルトを外す。固い場合は浸透性潤滑剤を使用
- 4.古いガスケットを取り外す
- 5.マフラーハンガーからマフラーステーを外す。固着して外れない場合はシリコンスプレーやマフラーハンガープライヤーを使用
- 6.マフラーハンガーに交換するマフラーを取り付ける
- 7.フランジに新品ガスケットを取り付ける
- 8.フランジボルト2本を均等に締めて取り付ける
- 9.トルクレンチを使って、規定トルクでフランジボルトを締め付ける
- 10.エンジンを始動し、火傷に注意しながらフランジ周辺に手をかざして排気漏れを確認
- 11.排気漏れがなければ、リジッドラックから車を降ろす
- 12.数kmを試運転し、各部に異常がないことを確認する
※車種によっては、取り付けにあたってバンパー等を取り外す必要があります。
社外マフラー選びの注意点
保安基準適合品もしくはJASMA認定品のマフラーを選ぶ
マフラー選びでもっとも気をつけたいのが排気騒音規制です。
排気音が過度に大きくなりすぎないように「車検対応品」や「保安基準適合品」もしくは、より厳しい独自基準を設けた「JASMA認定品」を選ぶ必要があります。
ただし、前述したとおりマフラーは経年劣化により音量が大きくなるため、購入時は車検に適合していても、経年劣化により車検非対応になる場合もあります。
また、車両年式によっても規制音量が異なるため、マフラー購入時は車種はもちろん適合年式の確認も必須事項です。
社外品・純正品を問わず、保安基準を満たせない音量のマフラーは車検に通らないばかりか消音器不備で罰せられます。
悪質な場合は不正改造として、さらに厳格な罰則が科せられる場合もあります。
違反名 | 罰則 |
消音器不備 | 反則点数2点 反則金6,000円(普通車) |
不正改造 | 6月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
改造している車は形状や構造をよく吟味して選ぶ
車に改造を施している場合は、より慎重にマフラーを選ばなくてはなりません。
リアバンパーを交換している車やバンパースポイラーを追加した車は、交換したマフラーの出口と干渉して取り付けできない事態に陥る可能性が高まります。
サスペンションなどを変更し車高を下げている車の場合は、装着するマフラーによっては最低地上高の規定を満たせなくなる恐れがあります。
最低地上高が9cm以上を確保できない場合は車検に通らないうえ、場合によっては不正改造で罰せられることになります。
安心して交換できるおすすめのマフラーメーカー
社外マフラーは、多くのメーカーからたくさんの種類が販売されているため、明確な目的がなければどれを選べばよいかわからなくなります。
選びきれない場合は、自動車メーカーが販売しているカスタムマフラーがおすすめです。
各自動車メーカーは以下のブランド名でマフラーなどのカスタムパーツを販売しています。
- ・トヨタ車「TRD」や「モデリスタ」
- ・日産車 「NISMO」
- ・ホンダ車 「無限」
- ・スバル 車「STI」 など
自動車メーカーが販売するマフラーは、総合性能が非常に高いため安心して装着することができますが、価格の高さが欠点です。
その点、各マフラーメーカーから販売されている商品は性能と価格のバランスやデザイン性に優れており、メーカー独自のこだわりを反映させた特色あるマフラーが揃っています。
国内でマフラーを取り扱う、以下の有名メーカーブランドであれば安心して交換できます。
- ・FUJITSUBO(フジツボ)
- ・柿本改
- ・5ZIGEN
- ・HKS
- ・BLITZ(ブリッツ)
- ・A’PEXi(アペックス)
- ・ガナドール など
事故修理のマフラー交換もカーテンダーにおまかせ
メンテナンスや性能アップ、ドレスアップ目的以外にも、追突などの事故修理に際してもマフラー交換が必要になります。
カーテンダーでは、業界最多の中古部品販路を持つ事故車買取のタウと連携して中古部品を調達できるため、マフラー交換を伴う修理でも純正中古マフラーを使って費用を抑えられます。
しかし、古い車や流通量が少ない車種では純正の中古マフラーが入手できない場合があります。また、なかには純正マフラーが非常に高額な車種もあります。そういった場合には社外マフラーへの変更も検討してみましょう。
カーテンダーでは創業25年以上の経験を活かして、お客様に最適な修理を提案いたします。
電話・フォームからお気軽にお問い合わせください。
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