事故車の修理がすべてわかる!修理代・期間・流れを解説
交差点で出会い頭の事故に遭ったり、停車時に後ろから追突されたりして、車が破損した場合は修理を検討する方も多いでしょう。
とはいえ、事故車を修理したことない方にとっては、
「修理の手順はどうするの? 保険の使う方法は?」
「安くしたいけど、修理費用の相場は?」
「早く修理したいけど、修理する期間は?」
など、分からないことだらけではないでしょうか?
複雑に思われがちな事故車の修理ですが、記事の通りの手順を踏めば案外簡単にできます。
また、車の修理代や期間は状況によって多少変わりますが、パーツごとにある程度決まっています。
そこで今回は、事故車を修理する3つのステップや事故車の修理の相場を解説!
事故車を修理する際の注意点もご紹介するので、はじめて事故車を修理する方が役に立つこと間違いなしです。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
事故車を修理するステップを3つに分けて解説
事故を起こしてから修理までの流れは次の通り、3つのステップに分けられます。
- ・保険会社とのやり取り
- ・修理工場・ディーラーで見積もり依頼
- ・賠償金の決定・保険金の支払い
1つずつ解説していきます。
ステップ1:保険会社とのやり取り
※自動車保険に加入している場合のみ
事故を起こした時は、まずは保険会社に連絡を行いましょう。
保険会社へ連絡をすることで事故受付が行われ、保険金請求の手続きが開始されます。
保険会社への連絡時、保険の契約内容の確認があり、下記を説明してもらえます。
- ・保険金で負担できる範囲
- ・保険金請求の時に必要な書類
- ・保険会社への連絡以降の流れ
ステップ2:修理工場・ディーラーで見積もり依頼
保険会社へ連絡が完了したら、修理の見積もりをしてもらいましょう。
保険に加入していると、保険会社が指定の修理工場を紹介してくれます。保険に入っていない場合や、普段から利用している工場やディーラーがある場合は、そちらを利用しても大丈夫です。
見積もりは損傷の状態が明確か、明確でないかで期間や手数料が発生するかどうか変わります。内容は下記のとおりです。
項目 | 見積期間 | 手数料 |
損傷の状態が明確 | 数時間~1日程度 | 無料のところが多い |
損傷の状態が明確でない | 2~3日程度 | 修理代の5~10%かかる |
損傷が明確な場合は、損傷の具合を比較的簡単に目視で確認でき、見積もりがすぐに出せるので数時間から1日程度で済みます。
しかし、損傷が明確でない場合は、車を分解して内部を確認したりするので、2〜3日程度かかることもあります。
見積もりの手数料に関しては、損傷が明確な場合は、作業工賃が少なくて済むので無料で行ってくれるところが多いです。しかし、損傷が明確でない場合は、車を分解して内部まで確認するなど、作業工数がどうしてもかかってしまいます。
なので、工場によっては修理代の5〜10%を見積もりの手数料として請求するところもあります。
見積もりが完了し、修理の費用や内容に問題がなければ修理の依頼をしましょう。
ステップ3:賠償金の決定・保険金の支払い
修理の費用など事故で発生した損害額が確定したら、過失割合を示談交渉で決めます。
過失割合は物的証拠、当事者の協議に基づいて決定されます。
示談交渉が成立すれば、相手方の保険会社と示談についての書類を交わし、同意の上で保険金を請求して受け取ることができます。
保険金は事故発生から3年が経過すると、事故の事実確認が取りにくくなるという理由で請求できなくなるので注意しましょう。
事故車の修理費用の相場
事故車を修理する流れをご説明したところで、事故車の修理費用と修理期間の目安を見ていきます。
事故車を修理する場合、鈑金塗装か交換のどちらかの作業になります。
修理の方法 | 対応可能な修理 | 説明 |
鈑金塗装 |
キズやへこみが浅い場合 キズやへこみの面積が狭い場合 |
専用の器具で叩いたり引っ張ったりして、へこみやキズを元の形状に戻し、塗装で仕上げる作業。作業工数があまりかからないので、費用と期間を抑えられる |
交換 | キズやへこみが激しく複数パーツに渡っている |
損傷しているパーツを外す作業、新しいパーツを取り付ける作業が必要なので、費用は高くなり、期間は長くなる傾向がある |
交換が推奨される場合でもパーツが入手困難なため、鈑金塗装で対応せざるを得ない場合もあります。その場合、損傷の程度によって費用や期間がかかってしまうケースもあるので注意しましょう。
交換の場合、部品がなければ取り寄せをして、車体の色に合わせて塗装をする必要があるので、費用や期間が思いのほかかかる場合もあります。
また、鈑金で対応できない素材を使用している車種もあるので、キズやへこみが激しくなくても交換になるケースもあります。
これらの内容を踏まえて、今回は車をフロント部分とリア部分に分けて、費用の相場と修理期間を紹介していきます。
自分の車や相手の車の修理代を負担しないといけない場合の参考にしてください。
フロント部分(ボンネットやフロントバンパーなど)
事故でフロント部分をぶつけた場合に損傷しやすいパーツは以下の通りです。
パーツ名 | 費用 | 期間 |
ヘッドライト |
約2~4万円 車種によっては30万以上になる場合も |
2~3日程度 |
フロントバンパー | 約7~12万円(基本は交換) | 2~3日程度 |
ボンネット | 約10万円(基本は交換) | 1週間程度 |
フロントフェンダー | 約7万円(基本は交換) | 1週間程度 |
フロントドア |
交換:約10万円 鈑金塗装:約5万円 |
2週間程度 |
各パーツについてさらに詳しく見ていきます。
ヘッドライト
費用は、約2〜4万円が相場になりますが、10年落ち未満の国産車の中には30万円を超える車種もあります。
カバーが破損してしまうと、カバーのみの交換ができないので、ライトユニット全体を交換しなければいけません。なので、費用が高くなる傾向があります。
修理期間は2〜3日程度です。ヘッドライトが損傷した場合、他の部分も損傷している可能性が非常に高く、同時に複数箇所の修理が必要なので、期間が長くなることを覚えておきましょう。
フロントバンパー
費用は、約7〜12万円が相場で、基本は交換になります。
期間は、車体に合ったパーツがあれば数時間ほどで完了しますが、ない場合はパーツの取り寄せをして、そこから車体の色に合せて塗装をする必要があるので2〜3日程度かかることもしばしばです。
ボンネット
費用は、約10万円が相場で、基本は交換になります。期間は1週間程度です。
ボンネットが破損するほどの事故の場合、事故の程度が大きいことが多く、ボンネットの開閉に必要な内部のワイヤーが切れている可能性が高いので、基本は交換になります。
フロントフェンダー
費用は7万円が相場で、基本は交換になります。期間は1週間程度です。
フロントフェンダーは、修理の際にフロントバンパーやヘッドライトの脱着が必要になり、工数がかかるので、費用や期間を要する傾向があります。
フロントドア
費用は、交換の場合で約10万円で、基本は交換になりますが、損傷の程度が小さければ、鈑金になることも。その場合の費用は約5万円です。
期間は、交換の場合で2週間程度、修理の場合で1週間程度になります。
交換になった場合、ドア以外の部分で塗装をしないといけない部分が発生するので、費用や期間がかかるので覚えておきましょう。
リア部分(リアバンパー)
おかまをほられたなど、事故でリア部分をぶつけた場合に損傷しやすいパーツは以下の通りです。
パーツ名 | 費用 | 期間 |
テールランプ | 約2~3万円 | 2~3日程度 |
バックドア |
交換:約15万円(基本は交換) 鈑金塗装:約6万円 |
交換:2週間程度 修理:1週間程度 |
リアバンパー | 約7~12万円(基本は交換) | 2~3日程度 |
リアフェンダー | 約7万円(基本は交換) |
1週間程度 |
各パーツについてさらに詳しく見ていきます。
テールランプ
費用は約2〜3万円が相場となります。期間は2〜3日程度です。
テールランプはヘッドライトのようにパーツによって費用が高くなることはありません。
ただ、ヘッドライトと同様にカバーが割れてしまうとライトユニット全体を交換しないといけないので覚えておきましょう。
また、テールランプが損傷した場合は複数箇所が損傷している可能性があり、他のパーツも同時に修理するため、期間は長くなる傾向があります。
バックドア
費用は交換の場合で約15万円で、基本は交換になります。損傷の度合いが小さく、鈑金塗装が可能な場合は費用が約6万円です。
期間は、交換の場合で2週間程度、修理の場合で1週間程度になります。
ヴォクシーやハイエースなどのミニバン・ワンボックスタイプの車種は、形状の問題で軽くぶつかった程度でもかなりへこみ、交換になるケースもあります。
また、リアガラスが割れてしまった場合は、ドアだけでなくガラスの脱着作業が必要になるので、修理の費用や期間がかかることも覚えておきましょう。
リアバンパー
費用は約7〜12万円が相場で、基本は交換となります。期間は、車体に合ったパーツがあれば数時間程度で完了しますが、無ければパーツの取り寄せをして、そこから車体の色に合わせて塗装をする必要があるので、2~3日程度かかると思っておいたほうが良いでしょう。
リアフェンダー
費用は、約7〜12万円が相場で、基本は交換となります。期間は2〜3日程度かかると思っておいた方がよいでしょう。
フロントフェンダーと同様に、リアフェンダーも修理の際にリアバンパーやテールランプの脱着が必要になり、作業工数がかかるので、費用や期間を要する傾向があります。
事故車を修理する際の4つの注意点
事故車を修理する際の注意点を4つ解説します。トラブルに繋がらないようにするためにも、ここで紹介する内容は押さえておきましょう。
1.修復歴がついて売却時に値段が安くなる恐れも
事故車を修理する際、骨格部分の交換や修復作業を行うと、車に「修復歴(事故歴)」が付き、売却時の値段が安くなります。
骨格部分は、車の強度にかかわってくる部分であり、交換や修復作業をすることで多少なりとも強度が落ちてしまいます。もし、売却した車を買取店が再販する際に、安全性の面で不安がある状態なので、どうしても査定額が下がってしまいます。
修復歴が付いてしまったら、修復歴なしの車よりも3〜5割ほど査定額が下がると言われています。
例として、令和3年式のトヨタアルファードを見ていきましょう。内容は以下の通りです。
事故歴 |
売却金額 |
なし | 約369万円 |
あり |
約200万円 |
※同グレード、走行距離はほぼ同じと想定
この事例を見ると、事故歴なしの売却額が約369万円だったのに対し、事故歴ありの売却額は約200万円で、4割以上金額が下がっていることがわかります。
将来的に車の売却を考えている場合は、売却時の値段が下がることを覚えておきましょう。
2.示談は法的拘束力を持つ
示談交渉では、当事者同士、もしくは両当事者が加入している保険会社同士で賠償金や過失割合を決めていきます。
裁判所を通して話し合うよりも短い期間で賠償金を受け取ることができるので、示談交渉で話が進むことがほとんどです。
賠償金や過失割合は次のことを考慮して決定されます。
項目 | 決まり方 |
賠償金額 | 車の修理費、代車の費用など必要相当性が認められる範囲で決定される |
過失割合 | 事故の状況や当事者の証言、ドライブレコーダーの映像といった物的証拠などから決定される |
注意点として、示談交渉は一度成立すると法的拘束力が発生すること。少しでも納得がいかない点があれば、簡単に同意はせず、弁護士に相談することも検討しましょう。
3.代車やレンタカーは修理が長引くと自己負担になる
事故車の修理は長ければ1か月以上かかることもあり、その期間は代車やレンタカーを借りる必要があります。ディーラーでは代車を用意していることもありますが、民間の修理工場やカー用品店では代車の数に限りがあり、借りることができない場合もあります。保険会社によっては借りることができる期間が2週間で、その後は自己負担でレンタカー代を負担しないといけないことも。ですので、代車費用をかけないためにも、修理の見積もりを早く取り、修理する場合は早めに依頼しましょう。
4.自動車保険を使用すると次年度の保険料が高くなる
自動車保険を使うと等級が下がり、次年度以降の保険料が上がります。
保険を使うかどうかは、保険料と修理費を比較して判断しましょう。
保険を使うかどうかの判断は、保険料の変化により差額が修理代を上回るか下回るかを基準に考えましょう。
修理代が上回る場合は自己負担、下回る場合は保険利用がおすすめです。
詳しく知りたい人は「自動車保険を使う目安は?使わない方がお得な場合も解説」で解説をしているので参考にしてください。
まとめ
今回は、事故後の対応や事故車の修理費用、期間、注意点について解説しました。
事故を起こしてしまった場合は、まずはしっかりと対応を行いましょう。しっかりと対応を行えば、思わぬ出費や本来受けるべき賠償金や保険が受けられないということを防ぐことができます。
また、事故車を修理するとなった場合は修理費用や期間だけでなく、保険で補償を受けるかなども考慮した上で判断しましょう。
当サイト【カーテンダー】は事故車買取実績No.1の株式会社タウが母体となっています。
事故車に関する豊富なノウハウを生かし、車の状態やお客様の要望などを踏まえて、最適な修理のご案内が可能です。
また、リサイクルパーツでの修理にも対応しており、新品部品での修理よりも費用を抑えて修理が可能なので、安く修理をしたいという方にもおすすめです。
修理のことでお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
カーテンダーでは創業25年以上の経験を活かして、お客様に最適な修理を提案いたします。
電話・フォームからお気軽にお問い合わせください。
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