レッカー費用の相場はいくら?JAFや任意保険のロードサービス以外の料金も比較
路上での事故や故障に加え、車検が切れた車の処分や売却など、自走できなくなった車の移動を迫られるシーンは度々あります。そこで気になるのが車を移動させるためのレッカー費用です。大きく重い車を移動させるのには、高額な費用がかかることは想像に難くありません。
今回はロードサービスをはじめとする車をレッカー移動させる手段と、それぞれの場合にかかる費用と利用時の注意点を解説します。車をレッカー移動させる方法は複数あり、状況や車の状態に応じて使い分けることがレッカー費用を抑えるコツです。
もくじ
【料金比較】車をレッカー移動させる5つの手段
車を移動させる手段は、特徴ごとに以下の5つに分けられます。
- ・保険会社のロードサービス
- ・民間ロードサービスのJAF
- ・JAF以外の民間ロードサービス
- ・陸送業者
- ・自分で牽引および搬送
車を移動させることをレッカーといいます。レッカーとは本来、事故車や故障車など自走できなくなった車を吊り上げるかたちで牽引する方法を指し、レッカーをするための車両はレッカー車と呼ばれます。
とはいえ、実際の現場ではレッカー車だけでなく車体ごと荷台に乗せる積載車(ローダー)なども用いられ、現在のレッカー方法は牽引だけにとどまりません。本記事では「レッカー=自走できない車の移動」の意味として、各レッカー方法の特徴や注意点などについて解説していきます。
自動車任意保険に無料付帯するロードサービス
ロードサービスとは、利用者の救援要請に際してスタッフが現地まで駆けつけ、事故や故障で移動できない車をレッカーしたり、バッテリー上がりやガス欠、パンクなどのトラブルを復旧してくれるサービスです。
多くの自動車任意保険に無料で付帯するロードサービスは、無料のレッカー搬送距離が長い特徴があります。細かなサービス内容などは保険会社によって異なるものの、多くの保険会社ではレッカー移動の無料走行距離を100km以上としており、保険会社が指定する修理工場への搬送する場合は、移動距離に関わらず無料としている保険会社も多くあります。
これら手厚いサービスが保険料に含まれる任意保険付帯のロードサービスは破格といえるでしょう。とくに遠方での事故や故障に際しては無料走行距離が長い保険会社のロードサービスの利用をおすすめします。
サービスが充実している有料会員制のJAF
民間ロードサービスのなかでもっとも有名なのは「日本自動車連盟 (JAF)」が提供するロードサービスです。
JAFは保険会社のロードサービスと同じく事故や路上でのトラブルに際して、現場まで駆けつけて対応してくれますが、任意保険付帯のロードサービスは契約車両が対象であるのに対し、JAFの場合は利用者が対象となっていることが大きく異なる点です。そのため、JAFなら借りた車の運転時や他人の車へ同乗している場合でもロードサービスが利用できます。
JAFのロードサービスは非会員でも利用可能であるものの、会員になれば多くのサービスが無償となるうえ、レッカー移動距離も15kmまで無料です。JAFの個人会員の入会金は2,000円、年会費が4,000円(2023年9月現在)であり、家族会員での加入やクレジットカード払いなどの条件で入会金や年会費が割引される制度もあります。
保険会社のロードサービスを付帯して入ればJAFへの入会は不要と思われがちですが、一部の保険会社はJAFと提携しており、JAF会員になれば任意保険付帯のロードサービスの無料レッカー距離が延長されるなどの優遇が受けられます。
JAFより安いその他の民間ロードサービス
民間ロードサービスはJAF以外にも、駐車場などを経営するタイムズやクレジットカードに付帯するロードサービスなど多数存在し、いずれの場合もJAFの年会費より安い特徴があります。
「タイムズロードサービス」は無料レッカー距離がJAFと同じ15kmに設定され、サービス内容自体は保険会社やJAFと同じでありながら入会金は330円、月会費220円と非常に安価です。クレジットカード付帯のロードサービスは、年間1,000円~3,000円程度の費用でレッカー移動やトラブル対応などのロードサービスが受けられます。
民間ロードサービスの年会費などの費用は安くとも、実際に現地へ派遣されるのは保険会社のロードサービスと同じく近隣のレッカー会社や修理工場のスタッフであるため安心して利用できます。ただし、JAFのように任意保険付帯のロードサービスとは連携はできないため、ロードサービス特約を外せるネット型保険などとの組み合わせて利用するとよいでしょう。
移送距離に応じた費用がかかる陸送業者
ロードサービスは路上での事故や故障などに際しては使えるものの、原則として自宅保管している不動車や車検切れの車の移動、車の売却や譲渡といった用途には利用できません。このように、特定の場所まで車を移動させたいときにはロードサービスではなく、車の輸送を代行してもらえる陸送業者を利用する必要があります。
車の陸送費用は輸送にかかる時間や距離に応じた費用が請求され、遠方ほど高額になります。具体的な費用相場は、輸送距離50〜100km(2~3時間の移動)なら1~2万円。それ以上の遠方は距離に応じて3〜10万円ほどの陸送費用がかかります。
免許があれば自分で牽引や積載移動が可能
牽引免許を保有していれば、車載トレーラーなどを用いて自分で車を搬送できます。中型免許や準中型免許を保有していれば積載車を利用して車を運ぶことができます。
自分で車を運ぶには搬送車両や設備の準備費用がかかるものの、ナンバーが付いていない競技車両でサーキット走行をする場合など、頻繁に車を輸送する機会が多い場合は自分で陸送するのがもっともレッカー費用を安く抑えられる方法といえるでしょう。積載車のレンタル代は24時間あたり2〜4万円程度が相場です。
状況や目的によって利用すべきレッカーサービスは異なる
車のレッカーサービスは、大きくロードサービスと陸送業者に分けられます。それぞれのサービスで用途が異なるため、利用するためには各サービスの利用規範を知っておく必要があります。
路上での事故や故障時はロードサービスで対応
路上での事故や故障時は一定距離までのレッカー費用が無料となっているJAFや保険会社のなどのロードサービスを利用するのがベストといえるでしょう。陸送業者は車の搬送はできても、ロードサービスのように路上で起こったトラブルへの対応はしてくれないためです。
各ロードサービスは自宅で起きたタイヤのパンクやキーの閉じ込め、バッテリー上がりや故障などのトラブルにも対応してくれる場合があるため、保険会社やJAF、その他の民間ロードサービスのいずれかを利用できるようにしておけば困るシーンは少ないでしょう。
不動車や車検切れの車はロードサービスが利用不可
ロードサービスは路上でのトラブルに際してのサービスを提供するのが基本原則であり、不動車や車検切れの車の移動に利用することはできません。
自宅で起こったトラブルに際しても出動してくれますが、任意保険付帯のロードサービスは保険契約中の車のみが対象です。民間ロードサービスであっても車検が切れた車(自賠責保険未加入の車)はサービスの対象外とされています。
そのため、自宅に保管しているナンバープレートが付いていない不動車の修理や、車検が切れた車の車検再取得をする目的での移動は、ロードサービスではなく陸送業者等を手配する必要があります。
廃車の解体や譲渡などは陸送業者に依頼
廃車の解体や車の譲渡など、車検(自賠責保険)が切れた車の処分や売却などに関しても、同じくロードサービスのレッカー移動は利用できないため、陸送業者等の手配が必要です。
陸送業者は自動車を専門とする業者のほか、引っ越し業者やクロネコヤマトなどの運送業者も自動車陸送の窓口を設けている場合があります。距離に応じた費用はかかるものの、これらの陸送御者なら県外などの遠方にも車を運んでくれます。
レッカーサービス利用時に知っておきたい5つの注意点
以下の5つの注意点を知らずにレッカーサービスを利用すると、予想外の出費を迫られる恐れがあります。
- ・無料ロードサービスでも実費発生
- ・長距離のレッカー移動は高額
- ・悪徳レッカー業者に注意
- ・車検切れの車は牽引によるレッカー移動が不可
- ・自然災害時のロードサービスの対応
それぞれの注意点を具体的に解説していきます。
利用サービスによっては実費が発生
無料ロードサービスを謳っている場合でも追加費用が発生する場合がある点は覚えておきましょう。
高速道路や有料道路への出動に際してかかる通行料金は、保険会社のロードサービスは無料としていることが多いのに対し、JAFを含む民間ロードサービスでは有料会員であっても実費での支払いとなります。
また、いずれのロードサービスでも救援時に補充したガソリン代やオイル代、交換したバッテリー代なども、あらかじめ設定された無料枠以上は実費請求です。
長移動距離はレッカー代が高額になりがち
遠方での事故や故障時はレッカー費用を計算してから利用するサービスを決めましょう。レッカー移動距離の無料枠が長い保険会社のロードサービスでは問題になりづらいものの、JAFを含む民間ロードサービスの無料走行距離15km程度であるため、超過した距離のレッカー費用は実費請求となります。
JAFのレッカー費用は1km毎に730円であるため、会員の場合は100kmのレッカー移動にかかる費用は54,750円です。非会員の場合は、基本料金+作業料+牽引料の合計で同じ100kmの移動でも約9万円にものぼるため、車を運ぶだけならJAFよりも陸送業者を頼んだ方が安くなります。
遠方へ出かける機会が多い方は保険会社のロードサービスの利用を前提として、なるべく無料レッカー距離が長い保険会社の任意保険を選ぶとよいでしょう。保険会社のロードサービスなら指定された修理工場への移動は無料になる場合が多いうえ、超過したレッカー費用を車両保険で賄うこともできます。
安すぎるレッカー業者は要注意
悪徳レッカー業者に注意しましょう。あらかじめ破格の基本料金だけを提示しておき、後から出動費や作業費の名目で高額なレッカー代を請求する手口が横行しています。
なかには、請求総額が数十万円にものぼる事例があり、契約を断ろうとすると高額なキャンセル料を請求されたケースもあるようです。
レッカー費用を抑えたくとも、相場を大きく下回る安い料金設定を提示している業者の利用は避けるのが賢明といえます。
車検切れの車は積載が必須
車検切れの車を運ぶ際はレッカー車の種類に注意しましょう。車検切れの車は一部のタイヤを接地させたまま牽引すると、道路交通法違反に触れる恐れがあります。
これを回避するためには、積載車を用いるなどしてタイヤが接地しないように運ぶか、自賠責保険に加入したうえで一時的な公道の走行を許可を得られる仮ナンバーを取得する必要があります。
自然災害時は保険会社のロードサービスが利用できない場合も
地震に起因する噴火や津波などの災害時は自動車任意保険が適用されず、保険会社のロードサービスも対応外となることは覚えておきましょう。その他の災害に際しても、作業員を危険にさらす業務はできないうえ、大規模災害では救援要請が殺到してロードサービスが利用できなかったり、到着までに時間がかかる場合があります。
こういった大規模災害時の対応は民間ロードサービスも同様ですが、地震時でも対応できる民間ロードサービスの方が災害時には融通が効きます。
直して乗るなら引き取り修理がおすすめ!廃車は事故車買取業者がお得
車の修理や車検整備、廃車手続きを業者に委託する場合は、それぞれの業者に車のレッカーをお願いしてみましょう。車を扱う多くの業者では積載車を保有しており、自走できない車の引き取りに対応している業者が数多くあります。
もちろん、レッカー費用は距離に応じて相応額が請求されますが、多くの場合に自分で陸送業者を手配するよりもレッカー費用を安く抑えられるでしょう。車の処分に限れば、事故車買取業者への依頼がもっともおすすめです。
車の廃車手続きと処分は整備工場などでも代行してくれますが手数料がかかってしまいます。その点、事故車買取業者は車両の引き取りや処分料を業者側で負担してくれるためレッカー費用を含む一切の費用がかかりません。さらに、動かない車や価値が失われた事故車であってもリサイクルパーツとして活用できるため、しっかりと値段を付けて買い取ってくれます。
修理も買い取りもカーテンダーにおまかせ!
カーテンダーは、事故車・廃車買取実績No.1の株式会社TAU(タウ)を母体とする修理工場ネットワークであり、故障修理と事故車買取の両方が行える強みがあります。
修理に関しては、板金塗装修理からエンジンなどの修理も対応可能。新品部品での修理はもちろん、独自ルートで仕入れられるリサイクルパーツを使って安く早く修理できます。
事故車買取に関しては、世界124ヶ国の販路を持つタウの強みを活かして業界トップクラスの買取価格を提示できます。もちろんレッカー代や廃車手続き代行費用も0円であり、買い取りおよび廃車にあたっての費用は一切かかりません。
レッカーが必要になるほど大きな事故や故障に際しては、修理をして乗り続けるか、売却して車を買い換えるか迷いがちです。安価な修理費用と高額な売却価格の両方の見積もりが出せるカーテンダーなら、それだけ最適な判断がしやすくなります。
レッカー移動の修理先選びに迷ったら、ぜひお近くのカーテンダーをご指名ください。
カーテンダーでは創業25年以上の経験を活かして、お客様に最適な修理を提案いたします。
電話・フォームからお気軽にお問い合わせください。
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